時勢と言うものは妙なもので… 勝海舟
国思ふ 道に二つは なかりけり… 明治天皇御製

日露戦争時、とある場所でお爺さんと息子が農業をしておりました。二人は荷車を曳いてあぜ道を進んでおります。息子は足が悪いらしく、荷車を押す体もきつそうです。
そこにある偉い兵隊さんが通りました。親子は道端に寄って兵隊さんに道を譲りました。すると兵隊さんは「お爺さん大変そうですね~」と声をかけました。
するとお爺さんはこのように答えたそうです。
「今は戦争で大変な時なのに、息子が足を悪くして戦地に行くこともできず申し訳ありません」と…
その偉い兵隊さんは、その場を後にしそばにいる従者を呼びました。そして金子を包んであの親子に渡すように命じました。
そして偉い兵隊さんは次の歌を詠みました。
国思ふ 道に二つは なかりけり 軍(いくさ)の庭に 立つも立たぬも
その偉い兵隊さんは実は明治天皇でありました。
今の時代、国難と言われております。
例え戦時でなくとも、国の為を思うことは日本人として大切だと思います。
男子志を立てて… 月性
ポールリシャール「日本の児等(子ら)へ」

日 本 の 児 等 に
曙の児等! 海原の児等!
花と焔との国、力と美との国の児等!
聴け、涯しなき海の諸々の波が
日出づる国の島々を讃ふる栄譽の歌を
汝の国に七つの栄譽あり
故にまた七つの大業あり
さらば聴け、其の七つの栄誉と七つの使命とを
一
独り自由を失はざりし亜細亜唯一の民!
汝こそ自由を亜細亜に与ふべきものなれ
二
曽て他国に隷属せざりし世界の唯一の民!
一切の世の隷属の民のために起つは汝の任なり
三
曽て滅びざりし唯一の民!
一切の人類幸福の敵を亡ぼすは汝の使命なり
四
新らしき科学と旧き智慧と、欧羅巴の思想と亜細亜の精神とを自己の衷に統一せる唯一の民!
此等二つの世界、来るべき世の此等兩部を統合するは汝の任なり
五
流血の跡なき宗教を有てる唯一の民!
一切の神々を統一して更に神聖なる真理を発揮するは汝なる可し
六
建国以来一系の天皇、永遠に亘る一人の天皇を奉戴せる唯一の民!
汝は地上の萬国に向って、人は皆な一天の子にして、天を永遠の君主とする一個の帝国を建設すべきことを教へんが為に生れたり
七
萬国に優れて統一ある民!
汝は来るべき一切の統一に貢献せん為に生れ
また汝は戦士なれば、人類の平和を促さん為に生れたり
曙の見等! 海原の児等!
斯くの如きは、花と焔との国なる汝の七つの栄譽、七つの大業なり
【つたない現代訳】
あけぼのの子ら! 広々とした海の子ら
花と火が燃え盛ろうとしている国、力と美の国の子ら!
聴け、果てしない海のもろもろの波が
日出ずる国の島々を讃える栄誉の歌を
あなた方の国に七つの栄譽あり
ゆえにまた七つの大業あり
それでは聴け、その七つの栄誉と七つの使命を
一
ただ独り自由を失っていないアジアで唯一の民!
あなた方こそ自由をアジアに与えるべきものであれ
二
かつて一度も他国に支配を受け従属していない世界で唯一の民!
全ての世の中の支配を受けている民のために起つはあなた方の任された役目である
三
かつて一度も亡びていない唯一の民!
全ての人類幸福の敵を亡ぼすのはあなた方の使命なり
四
新しい科学と古い智慧と、ヨーロッパの思想とアジアの精神を自分の心の中に統一している唯一の民!
これら二つの世界、来るべき世のこれらの両部を統合するはあなた方の任された役目である
五
流血の跡のない宗教(神道)を有する唯一の民!
全ての神々を統一して更に神聖なる真理を発揮するのはあなた方でしかいない
六
建国以来一系の天皇、永遠にわたる一人の天皇を謹んでいただく唯一の民!
あなた方は地上の全ての国に向って、人は皆な一天の子であり、天を永遠の君主とする一個の帝国を建設すべきことを教える為に生れたり
七
万国に優れて統一ある民!
あなた方は来るべき全ての統一に貢献する為に生れ
またあなた方は戦士であれば、人類の平和を促す為に生れたのである
あけぼのの子ら! 広々とした海の子ら
このように、花と火が燃え盛ろうとしている国であるあなた方は七つの栄譽と、七つの大業があるのである
福沢諭吉 心訓
物に心有り
今の世の中を見ると「大量消費」の「使い捨て」時代が少しずつ修正がかかってきました。
自然環境を破壊する影響から、一度使用した物を再利用する「リサイクル」が進められ、
行政によっては事細かな「資源ゴミ」として再利用される物が多くなりました。
しかし、まだまだこのような時代ですので物を粗末にする人が少なくありません。
小さい頃から物を大切にしなさいと言われてきました世代です。
自分がその物を大切にするとその物は長持ちするものだと言うことも分かりました。
わかりやすくいうと「愛着」です。
物には心があると私は祖母から教わっておりました。
大切に使用していると長持ちをして愛着が沸いてくるというものです。
江戸時代や戦前の日本人が用いていた物は、非常に長持ちをする物が多く
それは職人が丹誠込めて作成し、その物の精度が非常に高い事も挙げられます。
その職人の心と用いる人の心が、その物を長持ちさせる物だと思います。
物には心があり、愛着を持ち大切に使用することで、その対象となる物が長く使えるように頑張って長持ちしてくれる。
日本にはそんな伝統的な物が多くあります。
このように身近なところに心があります。
長持ちするものはやはりいいですね。