心を感じる
心を整えていると心が研ぎ澄まされてきます。
これが普通に出来るのが理想的ではないでしょうか。
物には心があります。
それがはっきりと分かる事がありましたので実例を紹介します。
着物や服を仕立てる事ができるお婆さんの家に行った時です。
テレビを見ながら話をしていましたが、番組で雛人形を制作している職人を取り上げていました。
職人技を駆使し、雛人形に心を入れてます。
雛人形は綺麗な瞳と上品な笑で見る人を幸せにします。
最後に完成した雛人形を受け取り、ひな壇を飾ります。
お爺さんが孫に向けて送った雛人形。
初節句から小学生になっても毎年、大事な雛人形を飾ります。
孫が生まれた事の嬉しさと、育つことの楽しさを感じ取る事ができる番組でした。
それを見たお婆さんが思い出したように、自分の子供や孫の為に、初参りや初節句の時に着せる為に仕立てた着物を出してきました。
着物は大事に保管されており、時が経っているものの虫食いやシミ一つなしに綺麗な状態です。
着物を包んでいる紙を解いて小さく綺麗な着物が出てきました。
その着物を見て、私はその時の情景やお爺さんお婆さん等の喜びあふれる心を感じ取りました。
見た目は只の着物です。
しかし、そこにはそれを仕立てた人の心と、それを送った人の心がありました。
大切に保管されている着物は、着物自体が生き物のような不思議な感覚がしました。
着物から喜びがあふれでていました。
子供や孫の生まれた時の事は私はわかりません。しかし、お宮参りの情景が脳裏に出てきます。周りを囲む人達の幸せな風景が出てきました。
着物の心から私にこのようにして作らて喜ばれたんだという事を感じる事が出来ました。
お婆さんは「心を贈る」と言っていました。
心があるから受け取った人は感謝をし、子どもや孫も時間を取っては年老いたお婆さんの様子を見に来ているとの事です。
このように愛情ある家庭に育った子供たちは、やがて大成し役立つ人になって親に恩を返しにくるという事がわかりました。
自らが感謝の心を持ち、人や物に心を伝える事が出来るようになれば、心を感じる事ができるものなのだろうと、そのように感じました。